法人で使わなくなった複合機は、家庭ごみと同じ感覚で処分することができません。
リース品か購入品かによって取るべき手続きが変わり、処分方法ごとに費用相場や無料回収の条件も異なります。
この記事では、オフィス移転や店舗閉鎖で複合機の処分を担当する方に向けて、5つの処分方法と費用の目安、業者選びで確認すべき注意点を整理します。
退去日が決まっている場合ほど、所有形態の確認と見積もり依頼を早めに進めておくと進行がスムーズです。
法人が複合機を処分する方法は主に5つ
法人が複合機を処分する際は、所有形態と機器の状態によって選べる方法が変わります。
リース返却、メーカー回収、産業廃棄物処理業者への依頼、不用品回収業者の利用、買取・リサイクル業者への売却という5つが主な選択肢です。
まずは全体像を比較し、自社の状況に近い方法を絞り込んでから詳細を確認していきましょう。
| 処分方法 | 向いているケース | 確認したいポイント |
|---|---|---|
| リース返却 | リース契約中の複合機 | 契約書の中途解約条件と返却手続き |
| メーカー回収 | 自社で購入した自社ブランド機 | 対象機種の範囲と回収・処理料金 |
| 産業廃棄物処理業者 | 複数台・移転や閉鎖で一括処分 | 収集運搬・処分の許可とマニフェスト発行 |
| 不用品回収業者 | 急な移転や閉鎖で早く片付けたい | 許可の有無と見積もり総額 |
| 買取・リサイクル業者 | 年式が新しく稼働状態が良い機種 | 査定条件と買取不可時の対応 |
リース契約の複合機は返却が基本
リース契約で導入した複合機は、所有権がリース会社にあるため、自社の判断で廃棄や売却を行うことはできません。
不要になった場合は、まずリース会社へ連絡し、返却方法や契約終了に必要な手続きを確認するのが基本的な流れです。
契約期間の途中で解約や入れ替えを行うときは、残リース料に相当する違約金が発生する可能性があります。
条件は契約内容によって異なるため、契約書の中途解約に関する条項を事前に読み返しておくと安心です。
メーカーに回収を依頼する方法
自社で購入した複合機であれば、メーカーが用意する使用済み製品の回収サービスを利用できる場合があります。
富士フイルムビジネスイノベーション(旧富士ゼロックス)やシャープなど、主要メーカーが窓口を設けています。
問い合わせの際は、機種名や重量、設置階、エレベーターの有無を伝えたうえで見積もりを取るのが一般的です。
ただしリース品や他社製品は対象外となるケースもあるため、事前に対応範囲を確認しておきましょう。
産業廃棄物処理業者に依頼する方法
業務用複合機は事業活動に伴って排出される機器のため、廃棄時は一般的に産業廃棄物として扱われます。
そのため、産業廃棄物の収集運搬や処分に必要な許可を持つ業者へ依頼する必要があります。
古い機種やメーカーの異なる複数台をまとめたい場合、オフィス移転や閉鎖で一括処分したい場合にも利用しやすい方法です。
依頼時には、処理の流れを記録する管理票であるマニフェストの発行を求め、適正処理を確認できる書類を残しておきます。
不用品回収業者に依頼する方法
複合機の回収を扱う不用品回収業者に依頼する方法もあり、急な移転や閉鎖で早く処分したい場合に相談しやすい選択肢です。
即日対応や出張費無料を掲げる業者もありますが、対応可否は業者や地域、物量によって異なります。
「回収無料」と案内されていても、持ち込みのみが対象だったり、運搬費が別途発生したりするケースがあります。
業務用複合機は産業廃棄物に該当するため、産業廃棄物収集運搬の許可を得ているかを必ず確認してください。
買取・リサイクル業者に売却する方法
年式が新しく動作に問題のない複合機であれば、廃棄する前に買取査定を検討する価値があります。
査定額は、メーカーや機種、年式、印刷枚数を示すカウンター値、動作状態、外観、付属品の有無、中古市場の需要によって変わります。
再販価値が見込める機種なら処分費用の負担がなくなり、売却益につながる可能性もあります。
一方で、古い機種や故障している機種は買取を断られることもあるため、その場合は他の方法と比較して判断します。
複合機の処分費用はどのくらいかかる?
業務用複合機の処分費用は、本体の重量やサイズ、依頼先がメーカーか産業廃棄物業者かによって幅があります。
買い替えや下取りを利用できる場合は無料になることもありますが、古い機種を単独で廃棄する場合は有料になるのが一般的です。
ここでは費用の目安と、無料・有料が分かれる条件を整理します。
重量・サイズ別の処分費用相場
処分費用は本体の重量とサイズに応じて大きく変わります。
メーカー回収の回収料金と処理料金を合わせた金額の目安は、次のとおりです。
| 重量の目安 | 機種のイメージ | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 20kg未満 | 小型機 | 数千円〜1万円弱程度 |
| 50kg前後 | 中型機 | 2万円前後 |
| 140kg以上 | 大型プリンター | 5万円程度 |
実際の金額は、搬出階やエレベーターの有無、設置場所までの距離、台数によっても変動します。
見積もり時は重量だけでなく搬出条件まで正確に伝えると、想定外の追加費用を避けやすくなります。
メーカー別の回収費用の違い
複合機の回収・処理料金はメーカーごとに料金体系が異なり、同じ重量帯でも金額に差が出ます。
例えばシャープは70kg未満で3万円台、リコーは重量区分に応じて1万円台後半から2万円台で設定されています。
富士フイルムビジネスイノベーション(旧富士ゼロックス)は、契約状況や製品により個別見積もりとなるケースがあります。
搬出階やエレベーターの有無で追加料金が生じることもあるため、最新の料金は各メーカー窓口で確認してください。
複合機回収が無料になるケース
複合機の処分は必ずしも有料とは限らず、条件が整えば無料回収につながる場合もあります。
代表的なのは、新しい複合機への買い替え時に不要機を下取りへ出すケースです。
販売店や導入業者が、入れ替え作業とあわせて引き取りに対応してくれることがあります。
また、年式が新しく動作状態の良い機種は中古市場で需要があり、買取対象として費用をかけずに手放せる場合もあります。
時期によってはキャンペーンで回収費用が割引・無料になることもありますが、すべての機種が対象になるわけではありません。
費用を抑えるためのポイント
費用を抑える基本は、依頼先を1社に絞らず複数社から見積もりを取ることです。
比較の際は、処理費や搬出費まで含めた総額で確認すると判断しやすくなります。
- 産業廃棄物業者と不用品回収業者の両方から相見積もりを取る
- 処理費・搬出費・車両費・人件費の内訳を分けて確認する
- オフィス家具やシュレッダーなど他の不用品とまとめて依頼する
- 買い替え予定がある場合は導入業者に下取りや引き取りを相談する
まとめて依頼すれば、出張費や搬出の手間を1回分に抑えられる場合があります。
複合機の処分で確認すべき注意点
業務用の複合機は自治体の粗大ゴミに出せないことが多く、処分ルートが限られます。
さらに内部には社内文書のデータが残っている場合があり、情報漏えい対策も欠かせません。
費用を抑えようとして無許可業者に依頼すると、トラブルに発展するおそれがあります。
複合機は粗大ゴミとして出せない
業務用の複合機は事業活動で使用した機器にあたるため、家庭ごみや粗大ゴミとは区分が異なります。
多くの自治体では粗大ゴミの回収対象として受け付けておらず、許可を持つ産業廃棄物処理業者への依頼が必要になります。
廃棄物の区分や取り扱いは自治体や契約条件によって異なる場合があります。判断に迷うときは、事前に自治体の窓口や処分を依頼する業者へ確認してください。
内部データの消去を忘れずに行う
複合機には、コピーやスキャン、FAXで扱った履歴が内蔵HDDに保存される機種があります。
そのまま処分すると、情報漏えいにつながるおそれがあります。
データの削除や本体の初期化だけでは完全に消去されず、復元されるリスクも指摘されています。
確実なデータ消去の方法は、メーカーや処分業者に確認しておくと安心です。
- 内蔵HDDのデータ消去方法と証明書の有無
- SDカードなどメモリーカードの抜き忘れ
- 原稿台や排紙トレイに残った書類
- 設定に登録したFAX番号やアドレス帳の情報
無許可の不用品回収業者に注意する
「無料回収」をうたいながら、実際には高額な追加料金を請求する業者が存在する点に注意が必要です。
回収した複合機を不法投棄する無許可業者のトラブルも報告されています。
業務用複合機は産業廃棄物に該当するため、本来は収集運搬の許可を持つ業者でなければ扱えません。
依頼前には許可の有無や口コミを確認し、不審な点がないかを見極めましょう。
見積もり内容が不明瞭な業者や、契約を急がせる業者は避け、複数社を比較してから選ぶことが大切です。
マニフェストと処理証明書の確認
産業廃棄物業者に依頼する場合は、処理の流れを記録する管理票であるマニフェストの発行を依頼します。
マニフェストには、収集運搬から中間処理、最終処分までの経路が記載されます。
万が一トラブルが発生した際に、自社が適正な手続きを踏んでいたことを示す根拠になります。
見積もり段階で処理証明書の有無まで確認し、書類を保管できる業者を選ぶと安心です。
複合機を処分するまでの進め方
複合機の処分は、所有形態の確認から順を追って進めると迷いにくくなります。
特に移転や閉鎖では退去日が決まっているため、逆算してスケジュールを組むことが重要です。
- リース契約か購入品かを契約書で確認する
- リース品はリース会社へ返却方法と条件を問い合わせる
- 購入品の場合は、機種名と重量に加え、設置している階やエレベーターを使えるかどうかを整理する
- 買取が見込める機種かどうか査定を依頼する
- メーカー回収と産業廃棄物業者などから相見積もりを取る
- 内蔵HDDのデータ消去と付属品の取り外しを行う
- 回収日を確定し、マニフェストや処理証明書を受け取る
よくある質問
ここでは、法人の複合機処分で担当者が疑問を持ちやすいポイントを整理します。
業務用複合機の処分費用はどのくらいですか?
処分費用は重量やサイズ、依頼先によって数千円から数万円まで幅があります。
20kg未満の小型機は数千円程度、50kg前後の中型機は2万円前後、140kg以上の大型プリンターでは5万円程度かかるケースもあります。
メーカー回収か産業廃棄物業者かでも料金体系が異なるため、総額での比較をおすすめします。
複合機回収センターとは何ですか?
複合機回収センターとは、不要になった複合機やコピー機を専門に引き取る回収業者のサービス窓口を指す名称です。
出張回収や即日対応、出張費無料を掲げるところが多く見られますが、対応可否は業者や地域によって異なります。
業務用複合機は産業廃棄物に該当するため、産業廃棄物収集運搬の許可証を保有しているかを必ず確認してください。
シャープや富士ゼロックスの複合機は無料で処分できますか?
シャープや富士フイルムビジネスイノベーション(旧富士ゼロックス)の回収は、基本的に有償サービスとして提供されています。
重量や機種に応じた回収料金が設定されており、問い合わせれば無条件で無料になるわけではありません。
ただし買い替えに合わせた引き取りや、販売店独自のキャンペーン利用時は、費用が無料または割引になるケースもあります。
条件は時期や店舗、機種によって変わるため、各メーカーの窓口や購入先へ直接確認しましょう。
複合機は自治体の粗大ゴミに出せますか?
業務用の複合機は事業活動に伴って排出される産業廃棄物にあたるため、家庭ごみ用の粗大ゴミ回収では原則として出せません。
家庭用プリンターは自治体の粗大ゴミやリサイクル回収で対応できる場合もありますが、オフィスや店舗で使っていた複合機は区分が異なります。
細かいルールは自治体によって差があるため、事業系廃棄物としての処分方法を担当窓口へ確認してください。
ヤマダ電機でコピー機の処分はできますか?
家電量販店の多くは、プリンターや複合機の買い替え時に不要機を引き取る下取りサービスや有料回収サービスを用意している場合があります。
ただし、対応できる機種のサイズや種類、店舗での購入実績の有無によって条件が異なります。
業務用の大型プリンターは家庭用と別の扱いになることもあるため、対象機種と回収費用を事前に問い合わせましょう。
まとめ
法人の複合機処分は、所有形態の確認から始め、処分方法の選択、費用比較、情報漏えい対策まで順を追って進めることが大切です。
リース品は返却が基本で、購入品はメーカー回収、産業廃棄物業者、不用品回収業者、買取などから状況に合う方法を選びます。
処分前にはデータ消去を徹底し、許可を持つ業者へ依頼することがトラブル回避につながります。
見積もりを依頼する際は、機種名と重量、設置階、搬出経路、希望日をまとめて伝えると相談がスムーズです。
